当院の検査・手術の特徴

当院での検査のこだわり:『患者さまになるべく負担の少ない検査を』

目の検査はとてもしんどいものです。しかし、患者さまのご要望にお応えするには正確な検査が必要不可欠です。当院ではなるべく患者さまの体に負担がかからないような検査の手法に順次切り替えています。

眼底検査

眼底検査では通常は散瞳検査といって、散瞳剤を点眼し、ひとみを大きく開き眼底を診察します。しかし、一度ひとみを開いてしまうと数時間はピントが合わなくなり、自動車を運転できないなど、かなり不自由な状態となってしまいます。当院では開院時より散瞳しなくても広く眼底を観察できる広角眼底カメラを導入し、ひとみをひらかなくても眼底の検査ができるようにしています。網膜裂孔など網膜に特別な病気のある方、レーザーや手術などの方は散瞳が必要になります。

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隅角検査

従来の隅角検査では、目にレンズをくっつける必要がありますが、当院では前眼部OCTを導入していますので、目の写真をとるだけで隅角検査が可能です。ただ、一部の緑内障の場合はまだ専用のレンズを用いた検査で隅角を直接見る必要があります。

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蛍光眼底造影

蛍光眼底造影検査は、現在でも必要不可欠な検査ですが、造影剤を血管に点滴しますので、アレルギー反応で起こるアナフィラキシーショックという怖い合併症があります。当院ではPLEX Elite9000を導入していますので、造影剤を用いずに、目の写真をとるだけで、眼底の広い範囲の血管造影画像が得られます。ただ、やはり血管からの漏出はわからないので、レーザーや手術の前には従来の蛍光眼底造影検査が必要となります。

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乱視矯正白内障手術

乱視矯正白内障手術のさい、従来ではレンズが入る方向を目に軽く傷をつけてマークしていましたが、当院ではデジタルサージカルガイドシステムにより、目に傷をつけずに手術が可能となりました。

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眼軸長検査

手術の前に目の長さを測るのが眼軸長検査です。眼軸長検査は患者さんの目の中にいれるレンズ度数を決める検査です。一生の見え方をきめるとても大事な検査になります。昔からある超音波方式では目に検査機器を押し当て測定するため、患者さんの負担も大きく、検査結果も検者によりばらつきがちでした。現在の主流は光学式といって光で長さを測るので、目に押し付ける必要がなく、以前より負担が少なくなり精度も格段に上がりました。当院では開院以来、光学式のIOLMaster500を使用し、高い精度と信頼性にとても満足してきましたが、それでも後嚢下白内障など白内障が強い場合は測定できないことが多く、その場合は超音波式で測るしかありませんでした。2015年にあらたに白内障の影響をうけにくいSS-OCTの光源を用いたIOLMaster700が使用できるようになり、当院では早期に導入しました。しかし、患者さんの一生の見え方をきめる大切な検査に、全く新しい原理のIOLMaster700だけでちゃんとした結果がでるのか不安でしたので、いままでの充分な実績と信頼性のあるIOLMaster500と、両方の機械で眼軸長を測ってきました。両者を1年間にわたり併用したところ、IOLMaster700はIOLMaster500と同等の信頼性があり、またIOLMaster500では測れない症例がIOLMaster700では測れるということが相次ぎ、現在ではIOLMaster700に完全に移行しています。今ではIOLMaster700で測れないことは半年に1~2回とほとんどなくなりました。

患者さんになるべく負担の少ない手術を

目の手術は誰でも嫌なものです。しかし患者さまの病状を改善し、落ち着けるためには、どうしても手術が必要なときがあります。当院ではなるべく患者さまの体に負担がかからないような手術の手法に順次切り替えています。どうせしないといけないものなら、なるべく短時間で、なるべく痛みの少ないものであってほしいと考えています。

麻酔

  • 白内障手術では点眼麻酔で手術を施行しますので、麻酔は目薬をするだけです。麻酔のために痛い注射をする必要はありません。
  • また、ご希望される方には、低濃度笑気麻酔(笑気吸入鎮静法)に対応しております。「手術が怖い」「手術中が不安だ」という方はご相談ください。
  • 硝子体手術では、従来は耳の後ろや目の下から目の奥にかけて長い針の注射をしていましたが、これが非常に痛い注射で、まれに目の奥の大きな出血を起こすやっかいなものでした。当院ではこれらの注射をしなくてすむように、皮膚を刺さないテノン下球後麻酔を採用しています。
  • 緑内障手術の線維柱帯切断術(トラベクロトミー)では結膜と強膜を切開するために、痛み止めの結膜下注射が必要でしたが、当院ではトラベクトームを導入し結膜と強膜を切開しませんので、結膜下注射は必要ありません。前房麻酔といって、すこししみる程度の麻酔で手術を終える事ができます。

切り口が小さいほうが体にかかる負担が少ないのは、どんな手術でも同じです。

  • 当院の白内障手術では、手術機械の進歩により、1.8mmの切り口から超音波乳化吸引術、眼内レンズ挿入術まで可能となりました。また、水晶体核の破砕効率も格段に上がり、超音波をかける時間が短くなり手術時間も短縮されています(白内障手術機器はこちら)。
  • 硝子体手術でも、以前は結膜を切開して20Gという外径0.9mmの太い注射針を使っていましたが、現在では結膜は切開しませんし、手術機械の進歩により25G(0.5mm)や症例によっては27G(0.4mm)という細い針を使って手術ができるようになりました。そのおかげで20G手術時代にくらべて、手術時間が短縮でき、術後の炎症も劇的に少なくなりました。( 硝子体手術機器はこちら)。

よけいな切り口をつくらず、必要最低限の切り口で手術を終了する:トラベクトーム

線維柱帯切断術(トラベクロトミー)では、従来は結膜と強膜を切断していましたが、トラベクトームでは眼内からの手術になりますので、結膜と強膜を切断する必要がありません。手術効果は同じで手術時間は大幅に短縮されました。また、将来トラベクレクトミーをしないといけなくなったときには有利です。過去に結膜と強膜を切断していた場合にはトラベクレクトミーの手術成績が悪いと報告されているからです(トラベクロトミーはこちら)。

エキスプレスインプラント


エキスプレスインプラントはトラベクレクトミーをより安全に行うためのデバイスです。従来のトラベクレクトミーでは虹彩を切断する必要がありましたが、エキスプレスではその必要がありません。エキスプレスでは手術時間も短く、術後の合併症も少ない傾向にありますので、当院のトラベクレクトミーは可能なかぎりエキスプレスインプラントで施行しています。ただ、新生血管緑内障や再手術など、エキスプレスインプラントでは濾過量が足らずにフェイルすると予想される場合は従来どおりトラベクレクトミーを施行しています(トラベクレクトミーはこちら)。

実施している日帰り手術

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