流出路再建術(トラベクロトミー)
緑内障の線維柱帯の目詰まりに対して、薬物治療・レーザー線維柱帯形成術を行っても十分な眼圧下降効果が得られない場合に実施される手術が、流出路再建術(トラベクロトミー)です。強膜を切開し、眼球の外側から線維柱帯を切開して、目詰まりを解消し、房水流出の促進を目的とした手術です。
当院の低侵襲手術:トラベクトーム
当院で実施する流出路再建術はトラベクトームという手術機器を使い、従来の手術よりも低侵襲(傷口が小さい)手術を行っております。手術方法も通常とは異なり、結膜・強膜を切開せずに、角膜を1.6mm切開し、専用機器を使い内側から線維柱帯を電気焼灼し、房水の流出率を改善します。
トラベクトームにはライセンスが必要となり、専門講習を受けた医師のみ使用が可能です。
トラベクトーム
【手術の流れ】
- 耳側角膜を1.6mm切開
- TrabectomeTMを挿入
- フットプレートの先端をシュレム管に挿入
- 時計回り、および反時計回りに各90-120°ほど切除
- 眼内に残存している粘弾性物質、および逆流性出血を除去
従来の手術との比較
- 切開傷が小さい(低侵襲:結膜・強膜は切開しない)
- 手術時間が短い(負担が少ない)
- 手術後の炎症が軽減されます。
- 手術成績も安定しております。
- また万が一、追加手術が必要になった際に結膜・強膜に切開創が無いので他の手術方法が行いやすく、術後の成績も良い
トラベクロトミーとトラベクレクトミーの比較
- 線維柱帯切除術より合併症のリスクが少ない
- 線維柱帯切除術より眼圧下降効果が小さい
※当院のトラベクトームを使った手術方法は、従来の流出路再建術よりもさらに合併症のリスクが低いと報告されています。
トラベクロトミーの手術費用について
トラベクロトミーの手術は、健康保険の適用となります。患者さんの目の状態により適応が違いますので、