急性緑内障発作とは
何らかの原因で、閉塞偶角緑内障を発症し、眼圧が急上昇して、眼の痛み・頭痛・吐き気・嘔吐・霧視(むし:かすみ目)などの症状を起こすことがあります。これを急性緑内障発作といいます。症状によっては一晩で失明してしまう可能性があります。また、症状から初期診断では頭の病気と間違われる場合があり、治療が遅れてしまう可能性があります。
急性緑内障発作は、できるだけ早急な治療が必要となります。
治療には、即効性のある薬剤もしくは点滴を使い発作を抑制したり、レーザー虹彩切開術もしくは周辺虹彩切除術(PI)、白内障を併発している場合は、白内障手術を実施します。
急性緑内障発作を片方の眼で起こした場合、もう片方の眼でも発症する危険性があるので、レーザー治療や手術療法を予防的に実施します。
急性緑内障発作の原因
- 白内障により水晶体が分厚くなり、瞳孔ブロックがおこる
- 薬剤の抗コリン作用によって隅角が一時的に狭くなる
- 疾患・薬物使用による散瞳(瞳孔が過度に開く)で隅角が狭くなる
など、隅角を狭くしてしまう要因が考えられます。
手術方法の選択
レーザー虹彩切開術
角膜が透明で眼球内がしっかりと確認できる場合は、レーザー虹彩切開術を行います。
周辺虹彩切除術(PI)
レーザー虹彩切開術ができない場合や白内障手術のリスクが高い場合に実施される手術法です。水晶体と虹彩の間で房水の流れが悪くなっているのを虹彩に迂回路を作成する事で改善する手術方法です。
白内障手術
白内障を併発している場合は、白内障手術を行うことで、水晶体を取り出し、眼内レンズに変更することで、手術後は隅角が大きく開くことが期待できます。また、日本では白内障手術が確立されており、緑内障手術と比較した際に、白内障手術の方がより安全で負担が少ない手術となります。
手術の方法は、患者さんもしくは患者さんのご家族とお話して最終的には決定します。
一般的には、高齢者の場合は、白内障手術が選択されます。
白内障手術後
白内障の手術前は図のように房水の流れが悪かった箇所(水晶体と虹彩・閉塞偶角)が、白内障手術後は眼内レンズが挿入され房水の流れが悪い箇所が図のように改善されます。