バルベルトインプラント手術とは
緑内障のバルベルトインプラント手術は、他の緑内障手術を数回実施した結果、眼圧下降効果が十分に得られなかった難症例に実施される手術で、実施できる医療機関は、緑内障手術(トラベクレクトミー)の実績(50症例以上)がある施設でしか行えない手術方法です。
バルベルトインプラントは、シリコン性のチューブとプレートです。バルベルトインプラント手術は、シリコンプレートを眼の奥(眼球の裏側)に留置し、プレートから伸びているシリコンチューブを眼内に留置して房水の流出を改善する方法です。シリコンチューブとプレートは、合併症がない限りは一生継続して利用できる物です。眼球を動かしている筋肉の間に留置しているために、まれに眼球運動に障害が出る場合があります。
設置したバルベルトインプラントは、見た目にはほとんど分かりません。
バルベルトインプラント手術は、他の手術方法では効果が得られない症例に行う最終手段となります。
【参考】
濾過手術(トラベクレクトミー)を複数回行った方は、黒目(角膜)付近に房水の貯留池(濾過胞:ろかほう)を作ることが難しいためにバルベルトチューブを中に通して、眼球の後方に房水を排出させる方法です。ただし、手術では、大きな切開や縫合が必要になり、バルベルトプレートを縫い付けた箇所は付着し、追加手術を実施することが難しくなります。