眼精疲労とは
休憩や睡眠によって回復する目の疲れと違い、治療や生活環境の改善がなければ自然に治ることがない目の疲れを眼精疲労と呼びます。
眼精疲労の症状
- 目の疲れ
- まぶたや眼が重く感じる
- 視界がぼやける
- 物がかすんで見える
- 目が痛い
- 結膜や白目が充血する
- 陽射しが以前よりまぶしく感じる
目以外に起こる症状もあります。
- 慢性的な肩こりや頭痛
- めまいや吐き気
- 倦怠感や体のだるさ
眼精疲労の原因
目や体の酷使、目や体の病気など、眼精疲労が起こる原因はいくつもあります。パソコンやスマートフォン、コンタクトレンズの長時間使用、暗い場所や揺れる場所でのテレビや動画視聴は特に目に対する負担が大きく、眼精疲労が起こる大きな原因となっています。
眼精疲労は専門医へ
環境による眼精疲労は、適切な対策を立てることで改善できます。ただし、目や体の病気が原因となって起こっている可能性がありますし、そうでないとしても生活に支障が出る段階まで進んでいる場合には、眼科専門医による治療や管理が必要です。またストレスは眼精疲労の原因にもなりますし、眼精疲労がストレスを増大させることもあります。目だけでなく全身に症状が現れますので、放置せず、早めに診療を受けてください。
VDT症候群(IT眼症)
VDT(ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル)症候群は、パソコンなどの画面を長時間見続けることで起こる病気で、目だけでなく体にも影響を与える可能性があります。基本的には眼精疲労と同じような症状ですが、目だけでなく、首や肩、腕の症状が強い場合が多く、背中が痛んだり、しびれが手の指に出る場合もあり、近視やドライアイ、結膜炎なども起こりやすくなります。
パソコンを使う環境などに細かく配慮することで、症状を緩和させることも可能です。また、画面から出るブルーライトから目を守る眼鏡を使ったり、目や体の緊張を和らげる薬を内服する治療方法などもあります。併発することが多いドライアイの治療も受けられますので、VDT症候群かもしれないと感じたら、眼科専門医を受診しましょう。
毛様体筋について
毛様体筋は水晶体の厚さを調整するための筋肉で、この筋肉の働きによってピントを合わせることができます。毛様体筋が緩むと水晶体は薄くなり、遠くがよく見えます。逆に毛様体筋が収縮すると水晶体はふくらみ、近くがよく見えるようになります。
スマートフォンやパソコンの画面を見ている時には、毛様体筋が緊張しています。長時間それを続けると緊張状態がずっと続くことになり、疲労がたまります。パソコンやスマートフォンを使う際には、こまめに休憩し、遠くを見て毛様体筋を積極的に緩めることを心がけましょう。
眼鏡による眼精疲労
眼鏡をかけていらっしゃる方の多くが、ご自身に合っていない眼鏡を使用していることに気づかず、その眼鏡が原因で、疲れ目、頭痛や肩こり、めまいなどを引き起こしていると紹介されました(2018年2月28日(水)NHK ためしてガッテン ~あなたの目にベストマッチ!「幸せメガネ」~)。
調節機能測定装置は、不定愁訴(ふていしゅうそ:頭痛や肩こりなどの不調)を含めて、目のピント調節機能を定量的かつビジュアル的に測定できます。そうすることで目に負担がかかる距離を楽に見える眼鏡を処方します。