調節機能解析装置とは
近年、スマートフォンの利用者が増加し、長時間使用する方も多く、眼精疲労やスマホ老眼などの健康被害がニュースなどで取り上げられています。これは、目のピント調節がスムーズにできなくなる事で、若者でも老眼と同じような症状があらわれます。ただ、このような疾患に対して、従来の眼科の検査では多くの症例で異常が検出されません。また、眼鏡をかけていらっしゃる方の多くが、ご自身に合っていない眼鏡を使用していることに気づかず、その眼鏡が原因で、眼精疲労、頭痛や肩こり、めまいなどを引き起こしていると紹介されました(2018年2月28日(水)NHK ためしてガッテン ~あなたの目にベストマッチ!「幸せメガネ」~)
調節機能解析装置は、不定愁訴(ふていしゅうそ:頭痛や肩こりなどの不調)を含めて、目のピント調節機能を定量的かつビジュアル的に測定できます。具体的には、ARK-1αにAA-2(調節機能測定ソフトウェア)を接続して測定します。ARK-1αで測定したデータを専用ソフトで解析する仕組みです。
測定の原理
眼精疲労は、毛様体筋の活動状態に依存し、静止視標を固視しているときに生じる他覚屈折値の揺れ<調節微動>に表れると報告されています。
被検眼のレフ測定値を基準とし、視標呈示位置を+0.5~ー3.0Dの0.5D間隔で8段階にステップ状に切り替え、それぞれの位置における静止視標を12秒または20秒間固視させ、この時の静的特性を計測します。
この計測値から算出した調節微動高周波成分の出現頻度HFC(High Frequency Component)を毛様体筋の活動程度として評価します。
測定結果の見方
調節機能解析装置を使って『楽な眼鏡』を作る
日本では、約7500万人の方が眼鏡を利用しています。ですが、眼鏡が合っていないと眼精疲労、頭痛、肩こりの原因なってしまうことをご存知でしょうか。
参考:NHK ためしてガッテン ~あなたの目にベストマッチ!「幸せメガネ」~
自分に合った眼鏡を作るには、視力とは別にそれぞれの「目の個性」を知ることが必要だと紹介されています。
調節機能解析装置(ARK-1αとAA-2)を使用して検査することで、患者さんの目がどの距離を見るときに、「緊張状態にあるのか・ないのか」がわかります。
患者さんごとにどの距離にピントを合わせるのがしんどい(目に負担がかかる)のかが客観的データで取得できるので、その目に負担がかかる距離を楽に見える眼鏡を処方します。その結果、楽な眼鏡が出来上がります。
従来では、眼鏡の処方により視力は出ましたが、その眼鏡がしんどい(目に負担がかかる)かどうかはテスト装用してもらって患者さん自身の体験によって決めてもらっていましたが、装用テストの問題がなくても、新しくメガネを作り、眼鏡を使ってみた後でやっぱり目に負担がかかるという事が少なくありませんでした。もちろん、今後もテスト装用は大切ですが、より患者さんに適した眼鏡を処方できるようになりました。つまり、
眼鏡をかけてから、眼精疲労、頭痛、肩こり、めまいなどの症状でお困りの方は、当院へご相談ください。